「へっ!? ………って、ひゃああぁぁっ!!」
そうしてアーチャーは、うつ伏せだった私の体を力任せにひっくり返すと、倒れている背中に自分の体を押し込んで上半身を起こしに掛かる。
それは、最初に二人掛りで愛撫された時と、二人が入れ替わっただけの格好だった。
アーチャーは未だ捲り上げられただけの私のタートルを脱がし、上にずらされただけの下着を手早く取り払う。それを見ていた士郎は、私のスカートのボタンを外し、ジッパーを下ろして脱がしてしまった。
残されたのは、中途半端に脱がされたままのニーソックスのみ。
「あ……う………」
今更ながら気恥ずかしくなってしまい、両腕で乳房を隠し、精液の滴る蜜口を士郎の視界から消し去ろうと、きつく太腿を擦り合わせる。
「遠坂、かわいい」
アーチャーの顔で、信じられないほど優しく微笑まれてしまい、私は頭のてっぺんまで血が昇っていくのを感じた。頬も耳も熱い。あんなに乱れていたのはただの白昼夢だったんじゃないかと思えるほど、私は理性を取り戻してしまっていた。
「今更だろう? 凛」
「あ……っ!」
乳房を隠していた両腕をアーチャーに掴まれ、顔の前で手首を固定される。それを器用に片手だけにまとめると、空いた左手で私の乳房を包み込んだ。
「あれだけ乱れておいてそんな仕草をするのも君らしいと言えばそれまでだが、そんな態度は余計に男を誘うだけだということくらい覚えておいた方がいい」
「ひ、ぁんッ!」
乳房を弄びながら、アーチャーが耳元で囁く。
たったそれだけのことで、私は自分のスイッチがゆっくりと切り替わって行くのを感じた。四肢の力は抜け、膝に触れてきた士郎の手にも逆らえずに、閉じておいた蜜口をまたも士郎の前へと曝け出してしまう。
乳房への愛撫、それに加えて精液の纏わり付いた蜜壺に士郎の視線を感じた私は、きゅうっと子宮が収縮するのを感じた。それと同時に、くぷりと音を立てて私の胎内から士郎の精液が溢れ出していく。
「濡らす必要、全く無さそうだな」
「ぅんんんッ!」
その精液を蜜口に塗りたくるように指で弄んだ士郎は、相変わらず硬さを保ったままの先端を私の蜜口へと押し付けた。
「挿れることしか能が無いのか。猿め」
「あんまりねちねち虐めたら、遠坂が可哀想だろ。おまえこそ、性格悪過ぎなんだよ!」
言い合いを続けながらも結局、二人共“自分達が満足するまで私を離さない”という部分では意見を同じくしているらしい。
行為自体を止められた訳じゃない士郎は、私の中に侵入するため、ゆっくりと腰を前に突き出してきた。
「んぁ、ああぁぁぁ……っ」
膣壁が軽く抵抗する。過敏に反応したばかりで対処しきれないと、侵入するソレを吐き出そうと収縮する。でもそれは、私にとって士郎の形を私に強く伝えるだけの行為でしかなく、ビリビリとした強い快感が脳髄までせり上がって来るのだった。
「ひ、はぁっ、あはぁッ」
私の再奥へ到達した士郎はそれから全く動いていないというのに、私の体は士郎の形を感じるだけで四肢を硬直させて弓なりに喘いでしまう。ビクビクと跳ねる躰を、背中にいたアーチャーが、相変わらず手首を掴んだまましっかりと抱きしめてくれていた。
「感じ過ぎた所為で、体が敏感になり過ぎてるようだな」
「遠坂、辛いか?」
さわさわと優しく乳房に触れていたアーチャーが私の変化を口にすると、目の前の士郎は心底心配そうな顔で私に尋ねてくる。
「心配するくらいなら、挿れる前に解放してよね……」
「う………す、すまん」
そうして本当に申し訳無さそうに、士郎は謝罪の言葉を口にしてくれた。だっていうのに。
「なに、心配はいらんさ。
これからすることを考えたら、君がそんな状態なのは願ったり叶ったりだよ、凛」
背中にいる私のサーヴァントは何を企んでいるのか、含みありげにそんなことを言ってくれる。
「……どういう、意味よ」
「そんなこと、気にしてる余裕はないぞ」
「ん、はぁッ!」
そうして片方の突起をきゅっと摘み上げられた。
大きな声を上げてしまったのは、痛かったからじゃない。その力加減があまりにも絶妙で、コリっと芯を擦り上げられた感覚が本当に気持ちよかったからだ。
もちろん感じることで反応したのは声だけじゃない。きゅうっと収縮した膣は私の中に収まった士郎をきつく締め上げていて、目の前の士郎が苦しそうに顔を歪めるのが視界の隅に入ってきた。
「とお、さかっ! ダメだ、そんなに締めたら……っ」
「動きたいなら動けばいいだろう。今の凛に、そんな遠慮は無用だと判らんのか」
「おまえなんかに、言われたくないね……!」
「アッ! ふわああぁぁんっ!!」
そう言いながらも士郎は、私の膝を抱え込んで遠慮なく腰を突き入れ始める。さっきよりも膣壁に絡みつくような感覚は、先ほど出されたばかりの精液の所為なのだろう。士郎に掻き回され、愛液と交じり合った精液が、蜜壺から溢れては重力に従ってぼたぼたと下に落ちていった。
強い絶頂を感じて自分を取り戻していたはずの私は、たった数回士郎に突き上げられただけで、さっきまでの淫惚な私を蘇らせてしまう。
目の奥にじわっと広がる興奮の味。後頭部を痺れさせる快楽の渦。膣壁を擦り上げられて、奥の気持ちいい場所を突かれる度に、私は抑えることも忘れた嬌声を上げ続けた。
「先ほどよりもひどい乱れ様だな、凛」
アーチャーが乳房を弄びながら耳元で囁く。
「そんなに気持ちいいなら、小僧ばかりに働かせてないで自分でも動いてみたらどうだ?」
その囁きは、強い快感でオカシクなった私には音としか認識されなくて、彼が何を言っているのか理解することが出来なかった。
アーチャーの問いに頷くことすら出来ず、ただ士郎の腰使いに合わせて嬌声を上げ続けていた私の体を、アーチャーはゆっくりと起していく。必然的に士郎は動きにくくなって、でもアーチャーと二言三言話した後、士郎は私の体が起きるのに合わせて畳みの上に仰向けに寝そべっていた。
「────ぁ、これ、深……ぃ?」
その士郎の上に、繋がったまま馬乗りになる。自分の体重を全て受けて、士郎の肉棒を深く深く咥え込んだ私の膣は、そのあまりの気持ちよさにヒクヒクと痙攣を繰り返していた。
「そら、動いてやらないと小僧が辛そうな顔をしているぞ」
アーチャーの手から解放された私の手の平は、隆々とした褐色の胸板の上で広げられている。その両手の向こう、色素の薄い髪を乱して眉に皺を寄せた彼の表情は確かに辛そうで、私は彼に抱きつくように体を倒し、頬を両手で包み込んで口付けを落とした。
「今、動く……から。んんっ!」
広い肩に手を置いて、ゆっくりと腰を持ち上げる。ずるりと抜けていく熱を切なく感じながらギリギリまで引き抜くと、重い体を重力に乗せて一気に腰を落とした。
「ふわぁんッ!!」
ずん、と子宮に強い衝撃を感じ、頭のてっぺんまで痺れさせられる。重い腰を動かすのはちょっと大変だったけれど、それを数回繰り返す内に、私はその感覚の虜にでもなったかのように、無意識に腰を動かしてしまっていた。
「ふっ! んんぅ、ぁんッ!! んふぅ……」
私が腰を打ちつける度に、目の前の男が顔を歪めて感じていることを教えてくれる。自分が気持ちよくなっていることも確かだったけれど、それがなんだかとっても楽しくて、私は夢中で腰を動かし続けた。
「気に入ったようだな、凛。
それではこちらも遠慮なく、手を出させてもらうとしよう」
後ろでもう一人の男が呟く。
そうして、私がもう止められなくなってしまった腰に触れると、恐らく私の愛液と彼の精液でドロドロになっているだろうもう一つの“穴”………ソコにそっと触れてきた。
「────だ、ダメっ! そこはっ!?」
一瞬で微かな理性が戻る。ソコは、今士郎と交わっている蜜壺とは全然違う。排泄だけを目的として、膣なんかとは比べ物にならないほど汚い場所。
見られるだけでも恥ずかしいのに、そこに触れられるなんて思ってもみなくて、私は思わず止められないでいた腰を止めてまで後ろの男に振り返った。
「ぁ……、イヤぁっ!!」
腰をくねらせてみても、彼の指は私の後ろの入り口を捕らえて離さない。そればかりか、微妙な力加減で指をくねらせ、ドロドロになったソコを少しずつ解そうとしていく。
「ダメっ、ダメぇ! 止めなさいって……聞こえないのッ!?」
恥ずかしさで涙が浮かぶ。必死で振り返って同級生の彼に訴えかけているのに、彼は見たことも無い意地悪な笑みを浮かべて、私の後ろの穴を見つめている。
「遠坂、諦めろって」
「ひゃああぁぁッ!?」
そんな私に追い討ちを掛けるように、繋がったままの男が私の腰をがっちりと掴み、私の意志とは関係なく無理矢理腰を下ろしてくれた。それと同時に、しっかりと自分の腰を突き上げることも忘れていない。
お陰で、とんでもなく気持ちいい場所に強い衝撃を覚えた私の躰は、ビクビクと痙攣して快感に打ち震えていた。
「んぁあッ!?」
それで少し躰の力が抜けてしまったのか、入り口を貪るだけだった指が、つぷりとその先端を私の中に埋没させる。外から異物の侵入など滅多に許さない菊座が、あまりの気持ち悪さに異物を吐き出そうと収縮する。
しかしそんなのは彼には判りきったことだったのだろう。私の菊座が収縮する間、それまであんなにも動き回っていた指の動きは影を潜め、私の力が緩和するのを待ってまた、奥へ奥へと侵入を開始する。
「ひぁ、ふ……あああぁぁッ!」
その間にも私の腰は自分の意思とは関係なく動かされ、下から突き上げられて惚けていく。
強い快感と異物感の狭間で、私の思考はバラバラにされてしまっていた。
「遠坂、かわいい……」
目の前の男が優しく微笑み、私の頬を片手で撫でる。この時、知らない感覚に支配され、すっかり不安になってしまっていた私には、その笑顔だけが全てに思えた。
頬を撫でる大きな褐色の手に頬を摺り寄せる。その手の平に口付けをして愛しおしむと、気を良くしたのかその手の指が私の口の中に侵入してきた。
私はそれを、何の疑問も持たずに優しく舐め始める。さっきアーチャーの肉棒をそうしたように、自分がどれだけ感じているのかを目の前の男に伝えるように、丁寧に、丁寧に。
「ん、ふぁ……ちゅ、んふぅっ」
ゆっくりと躰の力が抜けていく。突き上げられる感覚に、後ろの異物感がリンクしていく。
最初、第一関節ですら入らないと思った男の指は、すでに根元まで入っているようだった。
「んふ、はぁッ、ちゅ、んんんっ!」
異物感は快感に、不安は安心に────ぐにぐにと蠢く他人の指を受け入れ始めた私は、完全に理性を溶かされてしまったようだった。
「もういいようだな」
少年が呟く。
にゅぷんという感触と共に失った異物感に物足りなさを感じたのも束の間、入り口には指なんかよりずっと太いモノが押し当てられ、さっきよりもずっと柔らかくなった菊座をゆっくりと押し広げていった。
「ひ────ぁ、はぁ………っ!」
その圧迫感に呼吸が停止する。緩和した四肢には再び力が篭り、『そんなモノは入らない』と全身が悲鳴をあげる。
そんな私の躰を後から優しく抱きしめ、あやすように躰を撫でてくれるのは正直ありがたかったけれど、膣内に収まったままの肉棒だけでいっぱいだというのに、これ以上はお腹が裂けてしまいそうだと本能的な危機感すら感じるほどだ。
「………苦、し…………っ!!」
瞳からは自然と涙が溢れ、ショックで今度は躰の力が抜けていってしまった。
「落ち着け、凛。
大丈夫だ。君の躰は、オレ達を受け入れられるように出来ているんだから────」
後ろから囁きかける少年の言葉の意味が判らない。そんなのは、男の都合のいい解釈だって怒鳴りつけてやりたい気持ちになった。
でも、それが出来なかったのはきっと、心のどこかで『何かの形で二人を受け入れたい』と願っていた自分がいたからなのかもしれない。
「あは───ひ、ぁ………」
あまりの圧迫感に声すら出せない。零れ落ちる涙もそのままに、私は二人の男を同時に受け入れていた。
「遠坂、辛い思いさせて……ごめんな」
目の前の彼こそ、辛そうな顔をして私にそんなことを言ってくる。だから、謝るくらいなら最初からしないでって言ったのに。
そんなことを思いながら聞こえて来るのは、後ろにいる男の荒い息遣い。こいつはきっと、今素直に謝ったりはしないだろう。私と二人きりだったら場合によっては判らないけれど、コイツがいる前でそんな素直な部分を見せてくれるとは到底思えなかった。
二人とも本当に不器用で、仕方の無い男性。
「凛、こちらも限界だ……動くぞ」
「ひぅ────っ!?」
でも私も、そんな今の気持ちを二人に伝える余裕なんて無かった。一人にだって慣れてない躰は、どちらかがほんの少し動いただけで壊れそうになる。
いや、本当に壊れてしまえるならもっと楽だったかもしれない。後ろの彼の言う通り、どうやら私の躰は彼らを受け入れても大丈夫なように出来ていたようだ。壊れていくのは躰ではなくて、私の理性の方────二人が同時に動くことで、私の思考は本当の意味でバラバラになり、あまりにもキモチヨクテ自分の形さえ忘れてしまいそうになる。
「あッ! はぁんっ! んぅアッ!!」
そんな私のことなんて、当然判らないのだろう。
本当に遠慮なく突き上げてくる二本の肉棒は、私の中の薄い膜で擦れ合って、信じられないほど強い快感を私に与えてくれる。
「遠坂、とおさかっ!」
「凛、りん……」
目の前では、アーチャーが私を聞いたこともない発音で呼び、後ろから士郎が、やっと名前で私のことを呼んでくれる。
「アーチャー。そんな顔、しなくて……いいからっ! わた、し。キモチイイからぁ!!」
彼の厚い胸板に手を置いて、辛そうに私を見上げるアーチャーにそう伝える。
「士郎、もっ! もっと、わたしの名前………呼んでぇッ!!」
士郎の声で名前を呼ばれたのが嬉しかった。一生懸命体を起して首を捻ると、それに答えるように士郎が私の唇を奪ってくれる。
それじゃ、もっと名前呼んでもらえないのに……。
「んふッ! んっ! むんんんッ!!」
士郎の舌が絡まり、ただでさえ苦しかったのに酸欠が加速していく。
私の乳房を包み込んだ士郎の手が、私の腰を掴むアーチャーの手が、汗で湿って肌に吸い付くようだ。もう三人ともほんの少しの余裕も無い。後は、全てを壊して達するだけ────
「とおさか……オレ、もう………」
最初に限界を口にしたのは、後ろにいる士郎だった。絡めた唇はそのままに、吐き出す吐息を私の唇に掛けながら、呼吸を荒げているのが愛おしい。
「うんっ! は、士郎……わたし、もッ!!」
限界なんて、疾うの昔に過ぎ去っている。だからもう、後は三人で。
「ぁ────アーチャーも、出してっ! くれる、の?」
「とおさ、か……」
目の前で紡がれる苦しそうな声、眉に皺を寄せて感じていてくれてる表情。余裕の無くなったアーチャーは、胸板に添えていた私の手首をぐっと握り締めて、その限界を私に伝えてくれた。
幸福感が躰を満たす。それと同時に下腹部か切なく収縮し、二人の男の精射を煽っていた。
「く、」
「っ!!」
「あぁぁ………、ひああぁぁぁあぁぁぁぁぁああぁッッ!!!」
それは、ほとんど同時だった。
熱い熱い塊は子宮と腸を満たし、奥へ奥へと進んでいく。満ちていく感覚と、どこかへ飛ばされてしまったかのような喪失感の中、私は目の前が真っ白になるのを感じ、それに抗えずに思考が途切れる音を聞いた気がした。
ふわふわとした浮遊感の中、前にも背中にも感じる温かな二つの体温が、私に絶対的な安心感を与えてくれていた。
† † †
「遠坂には、少し悪いことしちまったな」
「何をいつまでも同じことを……。
『謝るくらいなら最初からするな』と彼女も言っていただろう」
小声だけど、よく知った二人の話し声が私の耳に届く。
「む。そりゃぁそだけどさ、遠坂は女の子なんだ。無茶をしたら体の心配くらいするのは当たり前だろう!?
しかもそれが俺達の所為なんだから、おまえだって少しくらい反省してもいいと思うぞ」
それにしても体がだるい。こんなにだるくて起きられないのは、アーチャーを召喚した翌朝以来だろうか。
「その反省が凛にとって迷惑となることもあり得るということだ馬鹿者。
彼女の体に無茶をすることは、凛に手を出した時から判っていたことだし、途中からだが凛もそれを承知でオレ達に付き合ってくれていた。それをそんな風に女々しくいつまでも言い続けたら、それこそ申し訳ないというものだろう」
でも、今は起きる必要なんて無い。目蓋の向こうに日の光を感じないところをみると、時刻はもう夜なんだろうし、お布団はふかふかで気持ちいいし、この脱力感もなんだか悪くないなって思えてしまうのだから。
「そんな風に割り切ってたらな、女の子なんて一生大事に出来ないと思うぞ」
「──────」
「な、なんだよ」
「いやなに、実際に私は女性を大切に扱ったことなど、一度として無かったのかもしれないと思ってな」
「……アーチャー」
掛けている布団に顔を擦り付けると、お日様の匂いに混じってよく知った男の子の香りを感じる。それを肺いっぱいに吸い込んで、私はこの幸せを享受していた。
「なぁ、アーチャー。そういえばおまえ、後ろに挿れただけでよかったのか?」
「!!」
低い大人の声のその一言で、私は微睡から現実へと引き戻された。
辛うじて声は出さず、それに飛び起きたりもしないでいられた私は、このまま寝た振りを決め込んで二人の会話に聞き耳を立てることにする。
自分の痴態について語られた恥ずかしさもあったけれど、先ほどまで交わっていた男たちがどんな話をしているのか、正直気にもなってしまったことだし。
「なんだ急に。気持ち悪い」
「いや、俺ばっかりよかったのかな……って」
「はぁ────
本当におまえは救えん男だな、衛宮士郎。そんなことも考えずに行為に及んでいたというのか」
「な! そ、そんな言い方ないだろ!?
一応心配してやってるんだからさ」
「─────」
確かに、士郎は二回も私の膣内に出していたのに、アーチャーは………。
「この体はおまえの物だろう。仮初の肉体と違い、生殖能力がある。
そんなモノで凛を犯してみろ。取り返しの付かないことになると判らんのか」
「あ────」
「!」
声を上げた士郎と一緒に、私も心の底から驚いていた。
魔術師である私は、そういうことに対しては普段からしっかりと対策を講じてはいたのだけれど、アーチャーがそこまで考えていてくれたことに胸が熱くなって、不覚にも鼻の奥がツンと痛くなる。
「本当に彼女を大事にしたいなら、もっと大人になることだな。
もっとも、今のおまえに凛を任せるほど、オレは寛大でもなければ甘くもない。その辺はくれぐれも肝に銘じておけよ、衛宮士郎」
「この……っ!
おまえなんか、とっとと消えちまえっ」
士郎が毒づいていたけれど、声で本気でないことが伝わってくる。
すっかり起き出すタイミングを失ってしまった私は、自分が真っ裸のまま士郎の布団にくるまっているんだと気付いていたけれど、べとべとに張り付いていた白い液体は二人が綺麗に拭いてくれていたみたいだし、このまま二人に気付かれることなく再び眠ってしまうことにした。
お日様と士郎の香りを肺いっぱいに吸い込んで、すぐ近くに二人の気配を感じながら眠れる今のシチュエーションは、絶好の快眠環境だと思えてしまうから。
ただし、この十五分後。
私がうとうとし始めたところで、どっちが私と布団で寝るかで言い争いになり、安眠を邪魔されてつい怒りを爆発させてしまった私にガンド連射され、騒ぎを聞きつけたセイバーに裸の私を見られた上に、二人とも彼女の剣の錆にされたことだけは、ほんの少しだけ同情してあげることにする。
まぁこれは、アダルトDVDを隠し持ってたり、人をオカズに使っていた二人にとって、ものすごくいい薬だったんだと思うことにしよう。
- 了 -
ともや様、素敵元ネタを本当に有難う御座いました!
この設定は個人的に萌え過ぎるので、また何か思いついたら書かせて頂きたいと思います^^
あらたゆん